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月別アーカイブ: 2025年9月

第14回水道工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社ビィーウォータァー、更新担当の中西です。

 

~やりがい~

1|まず押さえる:水道工事の本質は「生活と産業の連続性」🧭

  • 連続給水:止めない、止めるなら最小時間で。

  • 水質確保:通水後の安全(残塩・濁度・衛生)を数値で担保。

  • 耐久性:10〜50年スパンで持たせる設計・施工。

  • 説明責任:近隣・利用者・発注者に対して“見える品質”で答える。

つまり、**時間(止めない)×品質(水質)×寿命(長持ち)**の最適解が、強い水道工事の価値軸です。


2|ステークホルダー別の“リアルなニーズ”📌

自治体・水道事業体(発注者)

  • 停水最小化:計画停水の短縮、夜間切替の安全運用。

  • 更新の平準化:老朽管の優先順位化、LCC(総保有コスト)重視。

  • 耐震・レジリエンス:耐震継手・リング化・多重化の実装。

  • 可視化:写真台帳・試験成績・GIS反映で“説明できる工事”。

企業・デベロッパ・管理組合

  • 短工期:引渡や入居スケジュールに合わせた厳密な工程。

  • 非開削・低騒音:交通や商業に配慮した工法選定。

  • 不具合ゼロ:竣工後の再訪・苦情を出さない運用。

住民・利用者(現場周辺)

  • 生活影響の最小化:工事時間帯・騒音・振動・粉じんの抑制。

  • 安全導線:歩行者・自転車・通学路の確保。

  • 丁寧な告知:停水案内・迂回導線・復旧予定の明確化。


3|ニーズを漏れなく拾う“6分類”🧰

  1. 機能:水圧・流量・耐震・止水性能

  2. 時間:工期短縮・停水時間短縮・切替の正確さ

  3. 経済:初期費・維持費・舗装復旧コスト・LCC

  4. リスク:水質事故・第三者災害・コンプラ

  5. 感情:安心・静穏・信頼(説明の丁寧さ)

  6. 社会:省エネ・CO₂削減・街路景観・地域防災

受注前ヒアリングや現調は、この6分類で質問すると抜けが減ります。


4|“強い水道工事会社”の提供価値(差別化ポイント)🔧

  • 事前調査の精度:埋設物探査、土質・地下水、交通規制、切替シナリオの複線化。

  • 工法ポートフォリオ:開削/推進(HDD)/ライニングの最適配置。

  • 切替の台本化Go/No-Go基準→無貨試験→代表水栓確認まで秒単位で設計。

  • 水質“数値で合格”:通水・洗浄・残塩・濁度・細菌検査の基準クリアを書類+写真で提示。

  • 近隣コミュニケーション:掲示・戸別チラシ・QRで進捗公開。

  • データ連携:写真台帳・竣工図の即日GIS反映で資産管理に直結。


5|やりがいは“再現できる成功体験”から生まれる(役割別)✨

現場技術者・配管技能士

  • 寸法・トルク・漏水ゼロが一発で決まる快感。

  • 自分の仕事が十数年スパンの安心を支える誇り。

重機オペレーター

  • 支障物回避・路盤復旧の美しさで評価される手応え。

  • 通学路や商店街の**“安全を守る運転”**が地域貢献に直結。

施工管理・監督

  • 停水15分短縮苦情ゼロなどKPIで成果が可視化。

  • 近隣・警察・事業体・元請を束ね、予定通りにGo-Liveする達成感。

保全・漏水調査

  • 夜間の緊急対応で復旧時間を短縮できたときの感謝。

  • 「音」「圧力」「地形」から原因を特定する探偵的な面白さ

共通するのは、**“目の前の蛇口が再び当たり前になる瞬間”**に立ち会えること。


6|シーン別:ニーズ×やりがいの“あるある”📚

  • 配水本管更新(幹線)

    • ニーズ:交通規制・停水短縮・耐震化・舗装復旧の品質。

    • やりがい:巨大プロジェクトを安全・無事故で完走するチームの一体感。

  • 宅地引込/量水器周り

    • ニーズ:生活直結の迅速対応・美観・凍結対策。

    • やりがい:住民の「助かった」のダイレクトな声

  • 漏水緊急修繕

    • ニーズ最短復旧・二次災害防止・夜間安全。

    • やりがい:**可動率(復旧時間)**で価値を示せる即時性。

  • 災害時応急復旧

    • ニーズ:仮設給水・連絡網・資機材即応。

    • やりがい地域の命綱を守る使命感。


7|“今日から”使えるチェックリスト ✅

計画(Before)

  • 既設図・占用許可・交通計画・近隣告知

  • 止水・バイパス・切替手順(Go/No-Go基準)

  • 埋設物探査(下水・ガス・電力・通信)

  • 材料・継手・耐震仕様/水質試験項目の合意

施工(During)

  • 支保工・酸欠対策・ポンプ待機/重機旋回の監視

  • 継手清掃・トルク管理・漏水確認

  • 舗装仮復旧の段差・養生・導線確保

引渡(After)

  • 洗浄・通水・残塩・濁度・圧力試験

  • 代表蛇口の水質・濁り確認/苦情窓口の明示

  • 写真台帳・試験成績・竣工図→GIS反映


8|提案通りやすい“Good/Better/Best”🧪

  • Good(最短・省手間)
    開削更新+夜間切替+最低限の舗装復旧。スピード優先

  • Better(耐震・近隣配慮)
    耐震継手・非開削併用、騒音・振動の低減、仕上げ舗装まで一括。

  • Best(長寿命・スマート)

    • DMAセンサー/バルブ最適化、更新データをGIS・資産台帳に即連携。
      → それぞれに停水時間・LCC・苦情件数の期待値を添えると意思決定が速い。


9|KPIで“価値”と“やりがい”を可視化 📈

  • 需要側:計画停水時間、苦情件数、舗装是正率、水質合格率

  • 供給側:是正リードタイム、労災ゼロ日数、写真台帳即日率、教育完了率

  • 資産側:更新率(%/年)、漏水率、平均管齢、LCC削減額

数字で語れると、評価・再発注・チームの誇りが同時に上がります。


10|キャリアと学習(伸びる人の共通点)🛤️

  • 有用資格:給水装置工事主任技術者/管工事施工管理技士/配管技能士/重機・酸欠・玉掛け 等。

  • 伸びる人の癖

    • 法令・基準を“現場言葉”に翻訳できる

    • 写真・図面・数値で品質を語る

    • 近隣・発注・元請の三者調整を前倒しで回す


11|ニーズは“選ばれる理由”、やりがいは“続ける力”🌟

水道工事は、生活インフラの連続性を守る仕事。
発注者のニーズ(停水最小・水質・耐震・説明責任)に型で応えるほど、
「予定どおり、無事故、きれいに終わる」成功体験が積み上がり、やりがいは深まります。
止めない・汚さない・長持ちさせる——その再現性が、次の指名と誇りにつながります。💙

 


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第13回水道工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社ビィーウォータァー、更新担当の中西です。

 

~変遷~

蛇口をひねれば水が出る——この“当たり前”は、世代ごとの技術・制度・現場力の積み上げで保たれてきました。
戦後の復興から高度成長、耐震化、老朽更新、そしてDXと脱炭素まで。水道工事業は、暮らしと産業の根を支えながら**「敷く→保つ→賢く運用する」**へと進化してきました。実務の視点で、その変遷を一気にたどります。


1|戦後〜高度成長期:配ることが使命の時代(〜1970s)🏗️

  • 量の確保と布設の拡大:都市化に合わせて送配水管・配水池・浄水場を急速整備。

  • 材料と工法:鋳鉄管・石綿セメント管・鋼管が主流。開削で掘り、据えて、埋め戻す**“直線勝負”**の布設。

  • 品質と安全:塩素消毒の徹底、施工後の通水・洗浄・水質確認が標準化。
    狙いは普及率の向上。スピードと延長(配管距離)が最大KPIでした。


2|1970–1990年代:耐久・保全へ軸足(省力化と漏水対策)🔧

  • 素材の進化:**ダクタイル鋳鉄管(DI)硬質塩ビ(VP)/耐衝撃塩ビ(HIVP)**が普及。軽量化・耐食性・敷設性が向上。

  • 継手の標準化ゴム輪継手で施工効率と止水性を両立。フランジ・メカ継手の使い分けが明確に。

  • 維持管理の常態化:漏水探知・配管洗浄・消火栓点検など**“敷いた後の仕事”**が増える。
    安定供給とメンテの型づくりがテーマに。


3|1990–2010年代:災害と更新時代(レジリエンスの構築)🛡️

  • 地震教訓の制度化:耐震継手・耐震化バルブ・ダクタイル耐震管の採用が拡大。配水池や送水ルートの多重化も。

  • 非開削工法の伸長推進・穿孔(HDD)・ライニング更生で、交通と生活への影響を低減。

  • 広域連携/BCP:代替給水・応援体制・可搬式浄水の配備など、止めない設計へ。
    → キーワードは**「耐震・分散・冗長」**。停水時間をいかに短くするかが勝負。


4|2010年代後半〜:アセットマネジメントと省人化(少子高齢化対応)📊

  • 更新の波:高度成長期に敷いた管路が更新期へ。更新優先度の可視化と平準化投資が課題。

  • データ活用GISで台帳一元化、漏水ログ・破損履歴・道路工事計画と重ねて更新最適化。

  • 省人化ツール:合材プレミックス、可とう継手、軽量バルブ、止水作業の機械化などで安全と生産性を両立。
    → **“掘る回数を減らす・掘る距離を短くする・掘る時間を縮める”**が現場KPI。


5|2020年代:DX・スマート化・脱炭素へ(賢く回す水道)🌱📶

  • センシング漏水音聴・圧力・流量の常時監視、**DMA(地区計量)**で異常を早期検知。

  • スマートメーター(AMR/AMI):検針省力化に加え、需要波形から漏水や凍結の兆候を可視化。

  • BIM/CIM×現場:立体交差の干渉チェック、施工ステップの3D可視化で手戻り削減。

  • 脱炭素:高効率ポンプ・周波数制御、送配水の圧力最適化で電力原単位を低減。
    → **“データで守る・省エネで回す”**が新しい標準です。


6|現場技術の変遷まとめ(材料・継手・工法)🧰

  • 材料
    石綿セメント・鋳鉄 → ダクタイル・ポリエチレン(PE)・塩ビへ。土質/水質/圧力で使い分け。

  • 継手
    ねじ・鉛巻→フランジ→ゴム輪・メカ・耐震。地盤変位や振動に強い設計へ。

  • 工法
    開削一本→推進/HDD/ライニング更生の併用。舗装復旧の品質とスピードも評価対象に。


7|水質・安全・周辺調整の標準化(“見える品質”)🧪

  • 水質:通水・洗浄・残留塩素・濁度の基準チェック、写真台帳+試験記録を引渡し。

  • 掘削安全:埋設物照査(下水・ガス・電力・通信)、支保工・酸欠対策・浸水対策を作業計画に内包。

  • 近隣配慮:切替停水の周知、迂回路確保、夜間・騒音・振動の計画。
    施工品質=技術×安全×コミュニケーションの掛け算。


8|人材・資格・チームの進化(仕事の“型”を継ぐ)👷‍♀️👷

  • 主な資格:管工事施工管理技士、給水装置工事主任技術者、配管技能士、酸欠/高所/土止め関連。

  • チーム運用:若手は安全と段取り、中堅は継手・切替、ベテランは周辺協議とトラブル予防を担う。

  • やりがい

    • 停水時間を最短で終え、蛇口が再び“当たり前”になる瞬間を作れること。

    • 地図に残る仕事を**数字(漏水率・停水時間)**で良くしていけること。


9|これからの10年:焦点と打ち手(実務アジェンダ)🔮

  1. 更新優先度の科学化:損傷リスク×影響度×復旧コストで更新候補のランキング

  2. レジリエンス強化:リング化・弾力配水・非常用給水の地域単位最適

  3. 非開削の拡充:交通量・環境負荷・CO₂を考慮した**“掘らない”ポートフォリオ**。

  4. データ連携:GIS・台帳・工事写真・検査・維持管理の一気通貫

  5. 人材確保:OJT+eラーニング、技能バッジと表彰で熟達の見える化。


10|KPIで見る“強い水道工事” 📊

  • 漏水率・破裂件数(件/年・km)

  • 管路更新率(%/年)・平均供用年数

  • 計画停水時間/件・緊急修繕の平均復旧時間

  • 舗装復旧の是正率・苦情件数

  • エネルギー原単位(kWh/送水m³)・CO₂

  • 安全指標(ヒヤリハット是正率・休業災害ゼロ日数)


11|現場で使える:計画〜切替チェックリスト ✅

事前

  • 埋設物照査(図面・探査)/交通・占用許可/近隣告知

  • 材料・継手・圧力条件/止水・バイパス計画/仮配管の衛生確保
    施工

  • 支保・掘削幅・法面/継手清掃・トルク管理/仮復旧の段差養生

  • 通水・洗浄・残塩・濁度/漏洩確認/消火栓・空気弁の動作
    切替

  • 切替手順書(Go/No-Go基準)/逆流・濁り対策/広報の即応

  • 写真台帳・検査成績・竣工図の即日反映(GIS)


12|まとめ:水道工事は“未来の当たり前”を仕込む仕事 💧

敷く時代から、守り・賢く回す時代へ。
材料・継手・工法の進歩に、データとレジリエンスが重なり、
水道工事業は**「止めない・汚さない・長持ちさせる」**インフラづくりへ進化しました。
今日の1本が、10年・20年先の暮らしを支える。——それが、この仕事の誇りです。✨

 


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